THE CHILDREN OF GODS.
―しろくろ。―



 ∞/空がこんなにも青いなんて知らなかった



 近頃酷く肩が重い。過剰な背負い込みは疲労のもとだと言われたことがあった。
「なんでクロまで俺に憑いてんだよ…ッ」
「言ったろ二人で一人だって。それに白も僕も半独立状態にあるんだから今はそんなに辛くないと思うけど?」
「違ぇよそーいう問題じゃねぇよ!つーかお前ら具現してねぇときの俺の負担を考えろ!二人一緒にもどんなよ!」
「亮、とりあえず落ち着け」
 きゃらきゃら笑う黒蓮にいらいらする亮を白楼が制する。此処は亮の学校の屋上だ。亮と二匹以外に人影はない。
 あの一件以来、黒蓮は亮に憑くようになった。先ほど言ったような理由もあるのだが、二匹は余り離れすぎると世界というこの次元に何らかの影響を及ぼしてしまうのだという。基本的に守護獣と変わらない、しかし神獣の力を使って、亮の魂に干渉したらしい。せこいったらない。
 近頃白楼と黒蓮は自力の具現化、変身によってヒト型を保ち「外」に出ている。常人にも見えるよな工夫を施し、獣の耳も隠している。亮の負担を少なくするためだ。これも神獣故の力では在るのだが。
「モテモテだなぁ亮ー」
「『閻魔』テメェあとで覚えてやがれ…っ」
 突然影の中から現れた男の姿にも亮はもう慣れてしまっていた。近頃は大体このメンバーに月代が加わるくらいだ。月代には最近友達ができたらしく、今日は此処にはいない。
「あー『閻魔』ぁ、ちょっと頼み事があるんだー僕めんどくさくて」
「はいはいクライアント。報酬はがっぽり頂くぜ」
 そっちはそっちで話し始める黒蓮と「閻魔大魔王」から視線を外し、亮は白楼を見た。白い髪は人間離れしている。それでもその色を変えることだけはしない。
「シロ」
「ん?」
「ありがとな」
 白楼は一寸きょとんとしたが、すぐに苦笑して腕を持ち上げた。亮もまた。がつん、と交差する。
「これからも」
「ああ」
 しろとくろ、有と無。そして中立する自分。
 ああなんだか空が青いなぁなんて思いながら、亮はその場に寝そべった。













やっとおわりました。一年間の連載でした。よく飽きなかった自分!偉い!(ヲイ
個人的にはいろいろ消化不良なのですが、まぁいいか、みたいな。感想いただけると嬉しかったり。
それでは、ここまで読んで頂いて有難うございました!





【20070605 ブログ「黄昏は雨の日に」より】